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2006年3月 8日 (水)

ポリスマン

近所に住んでいるポリスマンとポリスマンがまたケンカをしていた。いつものことだよ、といった雰囲気でみんな相手にしていないけど、なにやら様子がおかしい。

怖くなったのでお父さんに頼んで知り合いのポリスマンを呼んでもらった。
10分後ポリスマンがやってきた。TシャツにG短パンという格好で武器になるようなものは何一つ身につけていない。おいおいポリスマンを舐めたら痛い目みるぞ、と内心思いつつもすいません何とかしてくださいと懇願する。
マカセナサーイ、と自信満々でポリスマンのケンカを止めに行くポリスマンの背中は意外と筋肉質で、あら案外頼りがいあるのかしら、と思ったその時、

ドキューン

一発の銃声が鳴り響き、ポリスマンが仰向けになって倒れた。
額からは不健康そうな血液がドロドロと流れ出している。

ほら言わんこっちゃない。ポリスマンのケンカに素手で立ち向かおうなんて無謀なことするからこうなるんだ。
しかも家から出てすぐの所で倒れてるし。あぁ邪魔くさいなぁと不機嫌な表情を浮かべていると、リヤカーを引いたポリスマンがどこからかやってきて手際よくポリスマンの死体をどけて掃除しはじめた。
一通り処理し終えると、物欲しげな眼差しで僕の目を見るポリスマン。
ちぇっ有料かよ。
しばらく様子を伺ってみたけどこのまま帰りそうもなかったので、仕方ない何かあげるかと部屋に戻り、先週旅行から帰ってきたポリスマンからもらったおみやげのまんじゅうを持ってポリスマンに差し出した。
まんじゅうを見るのが初めてなのか不思議そうな顔をしながらも、とりあえずは満足したようでポリスマンの死体を乗っけたリアカーを引いてポリスマンは帰って行った。

なんだかんだで外は薄暗くなってきた。
さっきまでケンカしていたポリスマンとポリスマンも仲直りしたようで、お互いのケガの手当までしている。

いっけね。色々あってすっかり忘れてたけど、丘の上のポリスマンに薬を届けなきゃ行けないんだった。
僕は急いで部屋から薬を持ってきて、ポリスマンの家に向かった。
途中、穴に落ちたポリスマンを見かけた。必死で助けを求めている。でもごめん!時間が無いんだ!
穴に落ちたポリスマンが無事助かる事を祈りながら薬を待つポリスマンの家まで向かった。

丘の上。ぽつんとたたずむポリスマンの家。
ピンポーン。インターホンを押してみたけど反応が無い。
ドンドンドン。ドアを叩く。反応が無い。
ポリスマーン。叫んでみたけど反応が無い。
これはただ事がじゃないぞ。一秒を争う事態が起きていることを察した僕は家の裏手に回り、窓ガラスを割ってポリスマンの家の中に入った。
すると、部屋のすみっこにポリスマンはいた。座り込んだ背中が小刻みに震えている。
「・・・が来る・・・が・・・・・・」
何かひたすら呟いている。
もう少し近づいてみた。
「ポリスマン・・・ポリスマンが来る。」
ポリスマンが来る!間違いない。確かにそう呟いている。
くそっ。思ったより事態は深刻のようだった。
僕は急いでポリスマンに薬を飲ませた。
数秒後、さっきまでの震えがピタッと止まり、バタンと仰向けに倒れた。
そして静かに息を引き取った。

念のためくるぶしに手を当ててみる。大丈夫。確実に死んでいる。

玄関から家を出て、丘を降りていく。
何回経験しても馴れないな、と苦笑いした目線の先にさっき穴に落ちたポリスマンが大勢のポリスマン達に助けられている姿が見えた。
ふいに涙がこぼれた。

この町に生まれてよかった。
心からそう思えた。

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コメント

お前もポリスマンか。

投稿: えりこ | 2006年5月10日 (水) 18時39分

姉妹リンクうそこ日記から飛んできました!面白~い!!楽しいですね。私のほうにも遊びきてください。でわぁまた

投稿: harakari | 2006年8月28日 (月) 15時41分

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